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さみしさはまぶしい(姉のはなむけ日記/19話)|岸田奈美|NamiKishida
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さみしさはまぶしい(姉のはなむけ日記/19話)|岸田奈美|NamiKishida
母とわたしと弟と、そろって晩ごはんを食べた。 そのあと弟は、お風呂に入った。シャワーの音に負けない... 母とわたしと弟と、そろって晩ごはんを食べた。 そのあと弟は、お風呂に入った。シャワーの音に負けないぐらい盛大な鼻歌を聞きながら、わたしは寝室でパソコンに向かっていた。 「奈美ちゃん」と、母がリビングから小さな声で呼ぶ。行ってみると、ソファの前に、弟の青いボストンバッグがあった。中身がちゃんと詰まっている。 車いすに座る母の膝の上には、母が選び、ていねいにたたんだばかりの弟の服が、行き場を失って積み重なっていた。 「自分で準備してたんやわ」 行き場を失った服の山を、ぽん、ぽん、と母の骨ばった細い手指が叩く。 「どんどん手がかからなくなっていくんやね、良太は」 褒めている素振りなのに、母はとにかく、泣きそうになっていた。 ボストンバッグには、グループホームで着るTシャツとハーフパンツが入っていた。弟が好きに選んだので、配色はアレだけど。これをこのまま着たら、アフリカ各国の国旗が歩いてるような具