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「ブルータス」カエサル暗殺後敗北者となった理由
シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』は、題名こそカエサルだが、主人公はブルータスである。第一... シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』は、題名こそカエサルだが、主人公はブルータスである。第一次三頭政治ののち、ライヴァルのポンペイウスを倒し、独裁の道を歩み始めたカエサルが、ルビコン川を渡っての戦いに勝ち、ローマ市民の声望も高く、いよいよ「王」になると聞いて、ローマの伝統的な、元老院による共和政治を、カエサルの専制政治にしてはならぬと、キャシアスらとともに、カエサルを白昼堂々、刺殺する。「ブルータス、お前もか」と、自分の味方だと思っていたブルータスに裏切られたカエサルが発したとされる台詞は有名だが、これは別のブルータスのことらしい。 英雄カエサルが殺されたと知って、騒ぐ市民たちを前に、ブルータスは堂々の演説をして、カエサルが専制君主になろうとしていた、と述べる。だが、その後登壇した、カエサル派のアントニウス(アントニー)は、一種の弁論的(詭弁)を駆使して、カエサルがいかに立派な人物であ