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中学生のころを思い出していた。 「いつも笑顔で明るい子だと思っていたけれど、やっぱり思い悩むところ... 中学生のころを思い出していた。 「いつも笑顔で明るい子だと思っていたけれど、やっぱり思い悩むところはあったのね」──僕が中学校の卒業文集を書いたとき、老いた国語教師に言われた言葉だ。 中学校の卒業文集。みなは何を書いただろうか。学校新聞のデザインを選んだ僕の文章は、いくつかのパートに別れている。 まず、まるで新聞記事のような文体で自分の事跡を紹介したあと、これは主観的なものであってメディアを信用してはいけないなどと書いている。 そして、もうひとつ、コラム形式で担任教師に対する不平不満をのべているものがある。 卒業文集のチェックにあたった老いた女教師は、一生残る卒業文集だからキレイゴトだけじゃなくて教師に対する不平不満も書いてよいという考えだった。 けれど、僕の文には意見をつけた。 「担任に対する不満を書くのはよいの。でも、担任が悪意をもってそれをやったように書くのは良くないわ」 そこは、直
2015/09/22 リンク