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美徳の不幸 - 太宰の罵倒芸
太宰治「如是我聞」より。 (まったくそうだよ。太宰、大いにやれ。あの教授たちは、どだい生意気だよ。... 太宰治「如是我聞」より。 (まったくそうだよ。太宰、大いにやれ。あの教授たちは、どだい生意気だよ。まだ手ぬるいくらいだ。おれもかねがね、癪(しゃく)にさわっていたのだ。) 背後でそんな声がする。私は、くるりと振向いてその男に答える。 「なにを言ってやがる。おまえよりは、それは、何としたって、あの先生たちは、すぐれているよ。おまえたちは、どだい『できない』じゃないか。『できない』やつは、これは論外。でも、のぞみとあらば、来月あたり、君たちに向って何か言ってあげてもかまわないが、君たちは、キタナクテね。なにせ、まったくの無学なんだから、『文学』でない部分に於いてひとつ撃つ。例えば、剣道の試合のとき、撃つところは、お面、お胴、お小手、ときまっている筈なのに、おまえたちは、試合(プレイ)も生活も一緒くたにして、道具はずれの二の腕や向う脛(ずね)を、力一杯にひっぱたく。それで勝ったと思っているのだか