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「働くと読書しなくなる現象」はなぜ起こるのか
なぜ働いていると本が読めなくなるのだろう? 学生時代は読書が好きだったのに、社会人になってから、な... なぜ働いていると本が読めなくなるのだろう? 学生時代は読書が好きだったのに、社会人になってから、なかなかその時間が取れなくなった。あるいは、休息の時間はあるし、スマホを触ることや簡単なゲームをすることはできるのに、骨太な名著などを能動的に読むことができない。そんな人は案外多いのではないだろうか。 過酷になった労働環境 私は普段、文芸評論家として活動しているが、会社員として働いている友人と会うとしばしば「働いていると本がなかなか読めなくて」と苦笑されることがある。わかる、私も会社員として働いていたときはそうだった、とそのたびに思う。しかし冷静になってみると、変な話である。本が読めないくらい余裕のない状態に陥らないと、働いているといえないのならば──私たちの労働環境はずいぶん過酷なものとなっている。