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鉄道員にオヤジと呼ばれたSL「キューロク」の記憶
大正時代に登場した9600形蒸気機関車は、その形式から「キューロク」と呼ばれて親しまれた。貨物列車用... 大正時代に登場した9600形蒸気機関車は、その形式から「キューロク」と呼ばれて親しまれた。貨物列車用に造られた機関車ということもあり、同時期に製造されて2024年春まで1両が「SL人吉」として活躍していた旅客列車用の8620形、通称「ハチロク」の陰で目立たない存在だった。 国鉄最後の「現役SL」だった9600形 しかし、このキューロクこそ、保存用ではない国鉄最後の「現役」蒸気機関車だったことはSLマニアの間でもあまり知られていない。 国鉄最後の「さよならSL」としては、1975年12月14日に室蘭本線を走ったC57形135号機が知られているが、これはSLが牽く最後の旅客列車で、実はこれ以後もキューロクは北海道の追分機関区にて細々と入換作業に従事していた。1976年3月2日、国鉄の営業用蒸気機関車最後の日まで残ったのがこの機関区の3両のキューロクだった。華々しく看取られることなく、キューロク