『親より稼ぐネオニート』 今 一生 | 考えるための書評集

「雇われるを捨てたら親より稼げた！」――これは魅力的なコピーである。好きでもない仕事で身銭を稼いでいる私にとっては、そこに「希望はあるのか」と探りたくなる。 タイトルもまた労働の対極にある「ニート」という言葉にに「親より稼ぐ――」というコピーをつけたことが逆説的で目を引く。 なんで稼ぐかというと、せどりやアフィリエイト、ゲストハウスの成功例が紹介されている。１００社の面接に落とされた若者が「オレには雇ってくれるところがない」と絶望したときに自営で生き残るしかないと、ネットなどで生き残ろうとするバイタリティがすごいと思う。 げんざいの若者の労働観のありようをこの本はしっかりとつかんでいる。げんざいの若者は趣味の延長で労働と人生を生きたいのだ。だから自分の好きでもない、意味もわからない仕事で、スタータスや恵まれた収入を手に入れようと充たされないのである。ネットで稼ぐのなら、自分の趣味の延長でそ