web-conte.com | blue | 上野千鶴子『生き延びるための思想』

一気呵成に読むとはこのことだ。上野千鶴子『生き延びるための思想』（岩波書店）。 フェミニズムのゴールがもし、「女が、男なみに強くなる」ことだとするならば、「あらゆる分野への男女共同参画」の果てにやってくるのは「軍隊への男女共同参画」という事態である。ハイテク戦争時代の到来が、すでにその物理的な条件を整えてもいる。「湾岸戦争に参戦した女性兵士は四万人。全体の１２％にあたる」（p.47）。フェミニズムが望んだものとははたしてこうしたものだったのだろうか。アメリカの主流派フェミニズム団体（NWO）は「イエス」と答えた。上野は決然と「ノー」を言う。そこに、「生き延びるための思想」が呼び出される。 わたしは「いのちより大切な価値がある」と思っていない。フェミニズムは「生き延びるための思想」だと思っているし、そのフェミニズムにとって、ヒロイズムはマイナスにこそなれ、利益になることなどない、と思っている

[KoshianX]

こういうところにフェミニズムが左翼思想に乗っ取られてきた歴史を見て取れるよねえ。あくまで弱者と連帯する、という。

[akupiyo]

上野千鶴子『生き延びるための思想』書評“フェミニズムのゴールがもし「女が男なみに強くなる」ことだとするならば「あらゆる分野への男女共同参画」の果てにやってくるのは「軍隊への男女共同参画」という事態”