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ガンジス川が法人になるとき──「自然の権利」と諸世界の翻訳としての法 ひろがりアジア(12)|中空萌
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ガンジス川が法人になるとき──「自然の権利」と諸世界の翻訳としての法 ひろがりアジア(12)|中空萌
2017年3月、インド北部・ウッタラーカンド州の高等裁判所にて、ガンジス川と支流のヤムナー川に人間と同... 2017年3月、インド北部・ウッタラーカンド州の高等裁判所にて、ガンジス川と支流のヤムナー川に人間と同じ「生きた存在 living entities」としての法的地位を認めるという判決が出された。 この判決によると、川は人間に所有される対象ではなく、「法人 legal person」の地位を持ち、「生きている者 living person」としての様々な権利や義務、責任を有する主体となる。つまり、ガンジス川とヤムナー川は自らの「身体」とそれが生み出す経済的効果に対する所有権などの「権利」を持つ。そして不法投棄などによって川の身体を傷つけたり、また採掘などによってそれが生み出す利益を強奪したりした人間を、川が訴えることが可能になったのである。 ウッタラーカンド州を流れるガンジス川、白く濁っている 筆者撮影 川が権利を持ち、人間を訴える。まるでおとぎ話のようだと多くの人が感じるのではないか。あ