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真っ赤に染まった窓と爆発音 101歳の日本人が語る満州事変の夜
1931年9月18日、中国東北部の奉天駅近くで、南満州鉄道(満鉄)の線路が爆破される柳条湖事件が起きた。... 1931年9月18日、中国東北部の奉天駅近くで、南満州鉄道(満鉄)の線路が爆破される柳条湖事件が起きた。日本が泥沼の「15年戦争」に突き進むきっかけとなった満州事変。その現場やその後建設された満州国を間近で見続けた日本人がいる。満州国総務庁の元官僚先川祐次さん、101歳。満州事変から90年の今、当時の内実を初めて語る。連載第1回は「満州事変の夜」(編集=朝日新聞記者・三浦英之) 姉と私をたたき起こした父 「起きろ!」 小学5年生の秋の夜だった。姉と枕を並べて寝ていたところを、父にたたき起こされた。 「今、10時半の大連行き列車が通過した。何か起こるかもしれん。慌てるな。いいか」 父の真っ赤な顔ににらまれて身を起こした途端、北側の窓がパーッと真っ赤に染まった。息をのむ間もなくズシーンと大音響が家を揺るがした。窓ガラスが内側にグッと曲がったように見えた。 「大丈夫だ」 父がかすれた声で叫んだ。
2021/09/18 リンク