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音の路上観察へむけて
都市に満ちるさまざまな音は、遊歩者の意識と無意識の狭間に入り込み、ときにその知覚や思考をかき乱す... 都市に満ちるさまざまな音は、遊歩者の意識と無意識の狭間に入り込み、ときにその知覚や思考をかき乱す、しばしば不愉快でどこか魅力的な存在である★1。 こうした音を観察する際に有効な概念として、1960年代後半、カナダの作曲家R・マリー・シェーファーによって提唱された「サウンドスケープ」概念がある[BG.05・1977]。まずこの概念への理解を深めておこう。 サウンドスケープの3つのモード 鳥越けい子によれば、サウンドスケープ概念は、シェーファーが70年代に組織した世界サウンドスケーププロジェクト(以下「WSP」)の活動において、2回の変化を遂げてきた★2。 シェーファーが当初示したのは、「拡大された作品」としてのサウンドスケープ概念である。ここでサウンドスケープは、「鳴り響く森羅万象に耳を開く」という啓発的な発想にもとづき、地球規模の「作品」として美的にとらえられている。しかしその後、WSPの
2009/10/12 リンク