（３０）タイ、インドネシア 名前消された漁民を守る シーフード産業の闇に挑む 現代の奴隷労働を告発

（３０）タイ、インドネシア 名前消された漁民を守る シーフード産業の闇に挑む 現代の奴隷労働を告発 強い日差しを受けて輝く海に、色とりどりの装飾を施した漁船がびっしりと並ぶ。船上には、立って漁網の手入れをする漁民の姿が見えた。 「漁船の労働は厳しく、時には２年も３年も船上で過ごす漁師もいる」。タイ南部、シーフードの町として知られるマハチャイの海に浮かぶ小舟の上で、パティマ・タンプチャヤクル（４７）はつぶやいた。 「彼らが取った魚は海の上で大きな輸送船に積み替える。魚と一緒に漁民も船を乗り換えさせられることがあり、誰がどの船に乗っているか分からなくなる」 ▽裁判闘争 奴隷労働や人権侵害、密漁が横行するシーフード産業の闇を知り尽くす。この町に本拠を置く市民団体、労働権利推進ネットワーク（ＬＰＮ）の創立者で、人間としての権利を奪われた漁民の救済に心血を注いできた。 腐りかけた食べ物しか与えら

[hide_nico]

“腐りかけた食べ物しか与えられず、飲み水もない。丸一日以上続く重労働と賃金の不払い。暴言や暴行は日常的で、命を落とすことも。遺体が海に捨てられたこともある”