「厚生年金ハーフ」検討を 視標「年収の壁」 ファイナンシャルプランナー 高橋義憲

岸田文雄首相は、いわゆる「年収の壁」による就業調整が人手不足を招いているとして、対策を実施すると表明した。「壁」を超えて働いても社会保険料負担によって手取りが減らないよう、主婦パートなど短時間労働者の賃金を上げ、就業時間を延ばして被用者保険（厚生年金と健康保険）の加入を促進する企業に対し、助成金を交付するという。 しかしこれは、就業調整によって国民年金の第３号被保険者として被用者保険の加入を回避している短時間労働者に対して、国が保険料の肩代わりをするという不公平な仕組みであり、容認できるものではない。 一部の企業では、被用者保険に加入する短時間労働者に対して、保険料負担分を賞与として還元するなど、実質的な賃上げによって就業調整を回避しているところもある。そうした努力ができない生産性の低い企業に助成金を交付することは、市場の競争原理に反し、国全体の経済成長を阻害するものだ。 これに対し、社会

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“なぜ、保険料を払わずに保障の半分を受けることができるのか。保険料の半分は事業主負担として払ってもらう構想だからである。”