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「改革派」と「泥棒政治家」の奇妙な連立――2022年マレーシア総選挙(中村 正志) - アジア経済研究所
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「改革派」と「泥棒政治家」の奇妙な連立――2022年マレーシア総選挙(中村 正志) - アジア経済研究所
昨年11月19日に投票が行われたマレーシアの第15回総選挙は、大方の予想を裏切る不可解な帰結をもたらし... 昨年11月19日に投票が行われたマレーシアの第15回総選挙は、大方の予想を裏切る不可解な帰結をもたらした。欧米メディアから改革派(reformer)と謳われたアンワル・イブラヒム希望連盟(PH)代表が、泥棒政治家(kleptocrat)と蔑まれるアフマド・ザヒド・ハミディ国民戦線(BN)議長と結託して新たな連立政権を立ち上げ、それぞれ正副首相の座におさまったのである。 この選挙では、2020年3月から連立政権を組んでいた、ムヒディン・ヤシン元首相が率いる国民同盟(PN)とBNとが対立し、PHと三つ巴の争いを繰り広げた。いずれの党派も過半数を制することができず、選挙後に連立交渉が行われることになったが、そこでBNとPNが元の鞘に収まるのではなく、長らく敵対してきたPHとBNが組むことになった。なぜこのような連立政権が発足することになったのか。「野合」の極みともいえるこの政権は、はたして持続可