「失われる30年」への懸念：新井淳一の先を読む 日本経済研究センター

2011年12月16日 「失われる30年」への懸念 美しく死ぬのは、さほどむずかしいことではない。しかし、美しく老いることは至難の業だ （フランスの作家アンドレ・ジッド） 唐突と思われるかもしれないが、先ごろ当センターの中期経済予測（2011－20年度）の発表を聞いていて、背徳者、狭き門などの小説で知られるジッドのこの言葉を思いだした。個人にとって美しく老いるのが至難の業なら、国家はもっとむずかしく、仮にそんなケースがあったとしても僥倖の類ではないか、と思ったからだ。事実、中期予測の数値は、美しい老いとは程遠いものとなっている。 客観的に見れば、日本は国家としていま老いの過程にあることは否定できない。人口も減り始めた。経済力もスーパーパワーではなくなった。若者も海外雄飛の夢を語らなくなった。人間と違って国家の再生は時々見かけるから先々を断定することはできないが、少なくともこれからの20年ぐ

[ookitasaburou]

客観的に見れば、日本は国家としていま老いの過程にあることは否定できない。人口も減り始めた。経済力もスーパーパワーではなくなった。若者も海外雄飛の夢を語らなくなった。人間と違って国家の再生は時々見かける