【地球コラム】「ワクチンナショナリズム」の醜悪：時事ドットコム

自国最優先に走るトランプ、プーチン、習… ＷＨＯ本部で記者会見に臨むテドロス事務局長＝2020年7月3日、ジュネーブ【ＥＰＡ時事】 人類は果たして新型コロナウイルス感染症（ＣＯＶＩＤ－１９）を克服できるのか？ 日本を含む全世界的な感染の再拡大に直面しているが、いつ終わるともしれないこのパンデミックの脅威に国際社会は有効な対抗策を見いだせていない。特効薬は見つからずワクチンがくまなく世界の人々の手に届くにはなお時間がかかりそうだ。その一方で、世界の多くの指導者の姿勢にみられるワクチン獲得合戦の様相は「ワクチンナショナリズム」と揶揄（やゆ）され、国際協調よりも国益を優先させる姿勢ばかりが際立っている。（時事通信社解説委員、元パリ特派員 市川文隆） ◇ ◇ ◇ ＣＯＶＩＤ－１９に関する初動対応の遅れで世界的な批判を浴びた世界保健機関（ＷＨＯ）だが、国際保健協力を担う世界で唯一の機関であることに変