「世界景気減速」で急浮上「日銀まさかの追加緩和」はあるか フォーサイト-新潮社ニュースマガジン：時事ドットコム

「国債」も「ETF」もだめ 記者会見する日本銀行の黒田東彦総裁＝2018年12月20日、東京・日本橋本石町の日銀本店【時事通信社】 では、もし実施されるとしたら、実際には日銀の追加緩和にはどのような手段があるのだろうか。 金融緩和策の主な手段だった10年国債の買い入れの結果、今や日銀は発行されている国債の半分近い約500兆円も保有しており、国債の流動性低下など様々な弊害が発生している。このため、日銀が目標としている国債買い入れによる保有残高の年間増加額約80兆円は、実際には約60兆円にまで縮小しており、国債買い入れ額の増額は、もはや現実的な手段とは言えない状況だ。 一方で、別の緩和手段であるETF（上場投資信託）の買い入れについては、12月20日の記者会見で黒田東彦総裁が言っているように、現状では日本の株式市場の時価総額の4％しか買い入れを行っていない。このため、株価の下落に対する効果とい

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YCC金利誘導水準の引き下げも有力な追加緩和手段ではあるが、18年7月に長期金利の変動幅を0.2％まで許容する「政策修正」を行っており、これを引き下げたからといって、緩和効果はそれほど期待できないのではないか