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オープンアクセスの広がりと現在の争点
本稿ではオープンアクセス(OA)運動の背景から現在までの流れを概観し,現在のOA運動における争点を整... 本稿ではオープンアクセス(OA)運動の背景から現在までの流れを概観し,現在のOA運動における争点を整理する。現在,Gold OAはビジネスとして成立することを示し,Green OAは機関リポジトリ等においては成功しているとは言えないが,助成機関によるOA義務化を伴うことで成功例が現れている。そして公的助成研究に対するOA義務化の方針は確実に広がりつつある。商業出版者もOAを受け入れ,OA運動における主導権をめぐって図書館と対立するようになっている。その中で問題となっているのが再利用可能性とエンバーゴである。 オープンアクセス(Open Access: OA)が明確な定義を得て10年以上が経った。現在,学術情報流通の中でOAは当たり前の選択肢の1つとなっている。Kurataらの研究によれば2009年の生物分野の論文は過半数がOAになっている1)。OAに懐疑的な立場を取ってきた商業出版者もOA