「胎児は塵芥を捨てるように葬り去られた」京大病院で70年前に起きた「人権侵害」亡き母に代わって真相究明｜社会｜地域のニュース｜京都新聞

大津市の男性（７５）は５年前、９９歳だった母親を亡くした。遺品を整理していると、母が自身の過去について書き残した手記を見つけた。 丁寧な手書きで１８６ページもある。うっすらと変色した紙をめくると、衝撃の内容が書かれていた。 〈医師のメスは私の知らない間に、一言の相談もなく、私の腹部を裂き破った〉 〈胎児は塵芥（じんかい）を捨てるように、無雑作に私の腹部から取り出され、葬り去られた〉（原文のまま） ■なぜ男性は一人っ子だったのか これは一体…。はやる気持ちで文字を追うと、幼い頃の母親との記憶がよみがえった。 男性が１１歳の時、両親は離婚した。母子家庭だったが、十分な愛情を受けて育った。ただ、一人っ子が嫌だった。母が仕事から帰るのを待つ時間が寂しく「何で僕には妹や弟がいないの」と、だだをこねた。 そんな時、母はシャツの裾をめくり、腹部を見せた。へその下にあり、ケロイド状になった縦５センチほどの