笑顔と歩みたい 発達障害をめぐって（京都新聞）

こだわりが強いのも、アスペルガーの特性だ。着るのはすべて古着。７０年代の米国製が特に好き。行きつけの古着屋で服を見る時間が楽しい 「将来どうなるんやろ」。昨年３月、京都市内の私立大学を卒業した荒木大さん（23）は不安に押しつぶされそうだった。 一昨年の12月、アスペルガー症候群と診断された。就職活動はほとんどできず、進路は全くの白紙だった。焦りと不安からうつ病になった。 ●集団になじめず 幼いころから「自分はどこか変だ」と違和感を抱いていた。母子手帳には「一つの方向をじっと見る」「呼びかけても振り向かない」と書かれている。大阪府内の幼稚園では集団行動になじめず、一人でずっと教室で本を読んでいては怒られ、転園した。 小学校では、いじめの対象になった。下校途中に待ち伏せされて、からかわれたり悪口を言われ、パニックになって大声で泣いた。思ったことを言葉でうまく表現できない。つらさやしんどさを抱え

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障害者職業センターにも通い始めたが、同センターの就職相談は、発達障害では利用できない。これまで身体、精神、知的の三障害しか法的な位置づけがなかったためだ。