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なぜか涙溢れる長岡花火「白菊」に込めた美しくも哀しい逸話
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なぜか涙溢れる長岡花火「白菊」に込めた美しくも哀しい逸話
「花火なのに、なぜだか涙が出る」――長岡大花火を観た人は必ずといっていいほど、そう口にする。毎年8月... 「花火なのに、なぜだか涙が出る」――長岡大花火を観た人は必ずといっていいほど、そう口にする。毎年8月2~3日に開催される新潟の「長岡まつり大花火大会」は、秋田の大曲、茨城の土浦と並ぶ日本三大花火大会のひとつとして有名だが、他の花火大会と違うのはこの中で唯一、競技ではない花火大会で、「慰霊と復興」の願いが込められているということ。 そして毎年、前夜祭として8月1日午後10時半には、慰霊のための花火が打ち上げられる。白一色の正尺玉花火で、その玉名を「白菊」という。この花火は、1945年8月1日同時刻に始まった長岡大空襲で命を落とした、1484人もの戦災殉難者に手向ける鎮魂、慰霊の花火なのだ。 花火大会のスタートとして打ち上げられ、長岡の広大な夜空に「ドーーーン」と、間をおきながらゆったりと大きく花開き、切なく寂しげに散る。 その「白菊」は、伝説の花火師・嘉瀬誠次氏(94才)が生んだ傑作の一つで