見せもす！舞台ウラ 寺田屋騒動｜NHK大河ドラマ『西郷どん』

ただ歴史の事実をなぞらえるのではなく、仲間同士が血を流すことになった無残さ、彼らがどんな思いでこの場を共有していたのかを伝えたい。ゴクリと飲む生唾、一瞬の目くばせ、刀を抜くまでの逡巡（しゅんじゅん）……。殺陣（たて）が第一ではなく、そこにある「感情」を大切に撮影は進められました。 「ないごて、こげな血を流さんといかんとじゃ！」——有馬の壮絶な死に、はたと目が覚めた時、もうどうすることもできない惨劇がそこにあったのです。 最期の瞬間にどういう感情が湧いてくるのか、あえて事前に考えず、本番にとっておこうと思っていました。同士である大山たちを前にして、決して動じない訳ではなく、「これでいいのか」「でも誰かがやらなきゃいけない」と心揺れる有馬がいたように思います。 絶命する瞬間には、精忠組みんなの顔が浮かびました。セリフにある「吉之助、すまん」はもちろんだけど、正助、大山、俊斎、新八、そして信吾。

[bt-shouichi]

藩上層部からみれば粛清でも、確かに実行する者からしたら共食いだわな…／大山格之助が大久保の懐に血をぬぐった懐紙を押し込むという演技は脚本にはなかったのか

[pollyanna]

“「一蔵と目が合うも、言葉なく出て行く」という表現として、僕はわざと血をぬぐった懐紙を一蔵の懐に入れたんですよ”