高校教諭「再検討を」 歴史用語精選、幅広い合意難しく（1/2ページ）

民間団体「高大連携歴史教育研究会」が昨年１１月に公表し、物議を醸した用語精選案は増え続ける用語問題に一石を投じたが、高校現場から内容の再検討を求める声が出るなど、幅広い理解や合意を得ることの難しさも浮かび上がった。 「『ナショナリズム』という概念用語は、どの単元で取り扱うか再検討の余地がある」。３月下旬、東京都内で開催された歴史教育に関するシンポジウム。同団体の精選案をもとに授業プランを作成した高校教諭は、概念用語の扱いの難しさを指摘した。 一般的に民族主義や国民主義などを指すナショナリズムは、精選案の第一次世界大戦の単元で初出となる。この教諭は「（それ以前の）フランス革命やウィーン体制の単元でナショナリズムを欠いたまま学習するのは難しい」と説明し、第一次世界大戦の文脈でもヨーロッパと植民地では用法が異なり、生徒が混乱する恐れがあるとした。 精選案をめぐっては、用語の不統一も問題視された。