【けいざい独談】日銀は本当に景気低迷の戦犯なのか？ 市場・金融界にはびこるクロダノミクス失敗論に違和感を禁じ得ないのだが…（1/6ページ）

５月２６～２７日の主要国首脳会議（伊勢志摩サミット）では、焦点の世界経済について、金融政策、財政出動、構造改革の先進７カ国（Ｇ７）版「３本の矢」の重要性を首脳レベルで初めて確認した。その成果は大きかったが、首脳宣言では金融政策の限界をにじませ、国内でも「マイナス金利政策」への風当たりが強まっている。果たして、日銀の金融緩和路線は失敗だったのか－。 Ｇ２０より強まった金融政策「限界」論 ２７日採択されたサミットの首脳宣言では、金融政策について、「非伝統的な金融政策も含め、経済回復およびデフレ脱却を支援することにコミットしてきた」と明記し、日銀や欧州中央銀行（ＥＣＢ）など各国中央銀行による量的金融緩和やマイナス金利の取り組みを評価した。 しかし、「金融政策のみでは、強固で、持続可能な、かつ、均衡ある成長につながらない」と金融政策の限界論ともとれる文章が盛り込まれた。市場では「３本の矢のうち、財

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”物価上昇のみを急ぐと、家計は財布のひもを締めてしまう。 　日銀はこの機会に目標のあり方をじっくりと精査すべきだ。（藤原章裕）”

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「金融政策のみでは、強固で、持続可能な、かつ均衡ある成長につながらない」と金融政策の限界論ともとれる文章が盛り込まれた。市場「３本の矢のうち、財政政策と構造改革に重点を置くメッセージ」と受け止められた