【火炎列島 糸魚川の警告（１）】「消防力超えた」飛び火 強風…１２０棟全焼 安全神話崩壊（1/5ページ）

「１１９番してくれ！ 火事だ」 昨年１２月２２日午前１０時半ごろ、新潟県糸魚川市の商店街。精肉店を営む平沢惣一郎さん（７６）が居間でくつろいでいると、隣のラーメン店の店主が血相を変えて駆け込んできた。 すぐに１１９番通報し、火を消そうとホースを持って店に入ったが、煙で何も見えない。勢いを増した火は２階に燃え移っていく。諦めて自宅に戻ると既に煙が充満しており、小さなかばんをつかんで飛び出すのが精いっぱいだった。 非番だった市消防本部の長野隆一署長（５８）は一報を受けて現場に駆け付けた。放水したが木造建築が密集して路地が狭く、火元に近づけず消せない。強風で火の粉が舞い上がり、数十分後に１００メートル以上離れた場所で新たに出火したとの通報が入る。初めて飛び火の発生を知った。 「信じられない。そんなに遠くに飛び火するのか。消防力を超えているかもしれない」 飛び火による出火は計１０カ所以上に及び、消

[fuldagap]

「人口が10万人未満の消防本部で強風下の初期消火や飛び火警戒などをマニュアル化しているのは17％。木造密集地域にポンプ車などを優先的に整備しているのは11％」でも本質は市街地の耐火化ができるかどうかかな