【イスラム国事件】「日本人人質『殺害』」（中）の３ イスラム社会、過激思想「無力化」へ発信着々 （1/2ページ）

中東では、イスラム国の主張を無効化しようとの試みも始まっている。 イスラム教スンニ派の最高権威とされるアズハル機構があるエジプトのファトワ（宗教裁定）庁は、イスラム国を「アルカーイダ分離派」と呼ぶ。 欧米やアラブ諸国の政府は、イスラム国が「国家」や「イスラム教の代表者」と誤認されないようにとの配慮から、旧称の「イラク・レバントのイスラム国（ＩＳＩＬ）」やアラビア語での略称「ダーイシュ」と呼ぶことが多いが、エジプト宗教界ではさらに、「国際テロ組織の分派にすぎない」（関係者）と定義しているのだ。 イスラム過激派のやっかいさは、イスラム教が伝統的に築いてきた概念やレトリックを巧みに利用し、一般のイスラム教徒に向けて「正統性」があるかのように振る舞う点にある。 例えば、イスラム国が支配地域内で敷いているとされる奴隷制は、異教徒とのジハード（聖戦）で捕虜とした女性や子供などの非戦闘員は戦利品として分

[maniwani]

"同じ概念を使いながらも、イスラム国の方がメッセージが単純なため、訴求力が強いのだという。"