＜社説＞子供とスポーツ 「勝利至上」から解放を：東京新聞 TOKYO Web

夏休み。高校野球の甲子園大会や中学、高校生が競う総合体育大会をはじめとした、子供たちが主役となるスポーツの季節がやって来る。そこで大人たちが考えなければならないことがある。 全日本柔道連盟は、例年夏に主催している個人戦の全国小学生学年別大会を今年から廃止した。指導者が結果を優先し、心身共に未発達な小学生に厳しい減量や危険な体勢からの技を強いるケースが生じていた。勝ちにこだわりすぎる保護者からの審判への罵声も問題となっていたという。極端な勝利至上主義への懸念が、現場でも渦巻いている。 本気で勝利を目指すことは、スポーツの本質の一つ。そのために長い時間をかけて準備を重ね、試合では最後の瞬間まで全力を尽くす。その精神が人を成長させる。スポーツが高潔なものとして支持されるゆえんだ。