内定式前夜に想う。日本の新卒市場の「真の課題」は何か? 豊田義博｜研究所員の鳥瞰虫瞰 Vol.2｜リクルートワークス研究所

混乱が今も続く今年度の新卒採用 多くの企業が内定式を催す10月１日が迫ってきた。企業の新卒採用担当者にとっては、その年の採用活動の成果が問われる日だ。その内定式に異変が起きている。10月１日に開催することができない企業が相次いでいるという。採用予定数が確保できないのだ。人手不足が騒がれているが、新卒市場も例にもれず、売り手市場の様相を顕著に示している。「いい学生が来ない」「内定を出しても、辞退されてしまう」という採用担当者の嘆きは、例年になく大きい。 混乱は企業サイドに限らない。春から夏にかけて、大学関係者に会うと、決まって彼らが口にしたのは、学生の就職活動についてのものだった。「就活で、学生が授業に来ない」「研究がはかどらない」等など。 こうした声は、昨年までにもあった。しかし、その程度が、これまでとは比べ物にならないという。卒業論文、卒業研究といった、大学の教育機会において最も重要な課

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