【メジャーの旅】あわや左足切断の重傷からオールスターへ登った男

野球殿堂入りするような実績があるわけではない。しかし、偉大な野球人たちにない大きな障害と闘い、危機をくぐり抜け、人生の勝者となった男が８９歳でこの世を去った。その名はルー・ブリッシー。 １９４１年、米南部サウスカロライナ州の大学時代、アスレチックスのコニー・マック監督に当時１７歳の左腕ブリッシーは投球を見てもらった。すると、同球団を５０年も指揮した長老が「レフティ・グローブの再来だ！」とひと目惚れした。 グローブとは古今１位のサウスポー。俗に「スモークボール」という剛速球を武器に新人の年から７年連続奪三振王に輝き、通算３００勝をマーク。そんな大投手を彷彿させる若者が現れたのだから、もう入団は決まったも同然だった。 ただ、父に「大学を卒業してから入団しなさい」と諭された。そこで大学に戻って間もなく第二次世界大戦が勃発し、兵役を志願。ヨーロッパ戦線に派遣され、ドイツ軍の攻撃を受けて左足の脛を粉

[goldhead]

“ヨーロッパ戦線に派遣され、ドイツ軍の攻撃を受けて左足の脛を粉砕骨折。医師から左足切断を告げられた”