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武器としての「中国思想」(大場一央)|書評・感想 - YOMEBA
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武器としての「中国思想」(大場一央)|書評・感想 - YOMEBA
中国の古典思想が今の時代の難題にどう影響を与え得るか、その点を深く洞察した『武器としての「中国思... 中国の古典思想が今の時代の難題にどう影響を与え得るか、その点を深く洞察した『武器としての「中国思想」』。中国古典の哲学が提起する様々な観念を紐解きながら、それがどのように現代社会の課題解決の助けとなるかを考察している。 本書は、一般的な啓発書の枠を超えつつ、中国の思想家たちの一連の概念に大胆な解釈を加えるところが印象的。たとえば、道や徳を重んじた孔子や、自然への従順を説いた老子といったメジャーな思想家たちに留まらず、彼らの教えが実はそれぞれの時代における実用的な志向性を含むこと、それが逆説的に極端な挙動や新たな宗教集団の形成を引き起こす結果に繋がったことなどを明らかにしている。さらに、孟子の考えからは、増税という国の強制力に頼ることなく、国民の豊かさを重視し国の繁栄につなげる方法に焦点を合わせる。 官僚制度や帝国の本質、保守主義と革新主義、個人の立場の確立など、現代にも通ずる多くのテーマに