【メディアとつきあう１２の方法】 Quid haec ad humanitatem? | 「みくらべる」ヒント１〜地元紙の普及率

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 印刷は、どんなちぐはぐな思想にも、一つの物体としての形とまとまりを与える。紙という物質によってまとまっている、こうした短命な一枚一枚を、目は走り読みする。 見出しのいかめしさによって、思想は、ある不可思議な法則のもとに回転する。挿入写真は、そこに、世界の断片をはめこむ。われわれの修辞家は、そうとは知らずに、こうした説得技術を駆使する。また、われわれも、みんな、そうとは知らずに、それを受け入れている。 みんな、といったわけは、新聞を信用しないからといって、新聞からのがれるわけにはゆかないからである。 ただ、そんなことを、断乎として、私は否定するのみである。そのこと自体が、【新聞のように】とはいわないまでも、【新聞によって】ものを考えることなのだから。 アラン「芸術に関する１０１章（６５ 新聞）」斎藤正二訳 平凡社、世界教養