広島被爆者の足取り、地図上で分析 内部被曝の実態探る：朝日新聞デジタル

広島原爆投下直後に爆心地近くに入った入市被爆者約４万人の足取りをコンピューターの地図上で復元する作業が、広島大などのグループで進められている。全体的な人の動きをつかむとともに、健康影響を調べた別の調査結果と突き合わせて、未解明の内部被曝（ひばく）の実態を探る予定だ。 取り組んでいるのは広島大原爆放射線医科学研究所の佐藤裕哉助教ら。広島市と県による１９７３～７４年のアンケートをもとに、入市被爆者が爆心地に入った日付や経路などの情報を入力、当時の地図上に示せるようにしている。入市被爆者全体がどのように移動したかはわかっていなかったが、地図上で大量のデータを扱う地理情報システム（ＧＩＳ）を使うことで可能になったという。 入力を終えた約１万３千人分でみると、最も多い経由地は広島駅。郊外から到着し、大通りを歩いた人が目立った。「土地勘がないため大通りを選び、家族の救助や捜索に向かったのでは」と佐藤さ