記憶喪失の被告に猶予付き判決 著作権侵害と不正受給：朝日新聞デジタル

記憶喪失で氏名も年齢もわからないまま、著作権法違反と詐欺の罪に問われた静岡県三島市の無職の男の判決公判が９日、前橋地裁であり、川崎学裁判官は懲役２年執行猶予５年、罰金３０万円（求刑懲役２年、罰金３０万円）を言い渡した。 判決によると、男はテレビドラマをインターネットの動画サイトに投稿して閲覧可能にして著作権を侵害し、違法投稿による広告収入があったにもかかわらず、生活保護費約１９０万円を不正受給した。男は２００８年に静岡県熱海市で意識不明で発見され、過去の記憶を全て失う全生活史健忘と診断されていた。 弁護人によると、男は発見当時、ダイビング用の時計をしていたといい、不正に得た収入でダイビングのインストラクターの資格を取得しようとしていたという。「記憶を取り戻したい」と話しており、今後は仕事をして自立をめざし、家庭裁判所に戸籍を新たに作る「就籍」の手続きも行う予定だという。

[maturi]

男は２００８年に静岡県熱海市で意識不明で発見され、過去の記憶を全て失う全生活史健忘と診断されていた。今後は仕事をして自立をめざし、家庭裁判所に戸籍を新たに作る「就籍」の手続きも行う予定だという。