ＴＰＰと一帯一路の関係は 李向陽・中国社会科学院博士：朝日新聞デジタル

――米国や日本をふくむ１２カ国が環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）に合意しました。中国への影響をどう考えますか？ 「向こう２、３年の短期で見れば、あまり大きな影響はないでしょう。中国はマレーシアやシンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなどＴＰＰに参加する国の多くと自由貿易協定（ＦＴＡ）を結んでいます。米国とも投資協定を協議中です。また、中国とＴＰＰに参加する国々との経済関係は密接で、産業のネットワーク、たとえば企業の部品調達網などサプライチェーンの輪の中にあります。企業がすぐに変更することはないと思います。さらに、中国にとって、オーストラリアやニュージーランドは資源を輸入している相手ですから大きな影響はない。しかし、長期にみれば、影響を受けます」 ――どんな影響ですか。 「まず、すでにインドネシアや韓国が参加の意向を示していますが、タイやフィリピンなどより多くの国が加わる可能性がありま