遠州の行者講、特別展で紹介 袋井市郷土資料館｜静岡新聞アットエス

江戸末期から明治期にかけて遠州地域に数多く存在した行者講。今年は沿岸部の村人が修験道の開祖、役行者（えんのぎょうじゃ）の尊像を大峰山（奈良県）から持ち運び、袋井市湊地区にまつってから１５０周年に当たる。市郷土資料館（同市浅名）は節目を機にこの尊像や関連の古文書などを集めた特別展を開き、信仰の歴史を今に伝えている。 ■尊像まつり１５０周年 信仰の歴史伝える７０点 行者講は大峰山に修行に向かう修験道の信者のグループ。山本義孝市歴史文化館主幹（５４）は「今で言う成人式のようなもの。通過儀礼として各地域の先達が毎年男子を引率した」と説明する。 資料によると１８６５年（慶応元年）、尊像を運んだ村人は大峰山に見立てた高さ３メートルの築山を湊地区に造成。頂上に行者堂を建立して安置した。当時は湊地区を含めて市南部に三つの行者講があり、それぞれ地元に行者堂を建てた。第２次世界大戦の頃まで入山修行をして