大和総研 / 医療の崩壊を食い止めるためには

【サマリー】 ◆10年近く前には、ＷＨＯ（世界保健機関）から高い評価を得た日本の医療システムであるが、最近では、救急患者のたらい回しや一部診療科の閉鎖に加え、経済的困窮から受診を控える患者の増加など、医療の崩壊が各地で進行している。 ◆他の先進国と比べると、我が国の医療費は決して多いとは言えないのだが、これ以上医療に回せる財源がないと多くの人が考えているため、決定打が打てないでいる。 ◆公的医療支出を減らしても、医療費（＝公費＋保険料＋自己負担）が国全体で減るわけではない以上、誰かの“保険料＋自己負担”が増えるだけである。そして、その誰かとは、病気に罹患した人や病気に罹りやすい人であろう。皆保険の理念を「支払能力によらず必要な医療を受けられる」とするならば、公的医療支出を減らすべきではないだろう。 PDFファイルで公開いたします。なお、PDFファイルをご覧頂くためには、 「Get Ad

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"これ以上医療に回せる財源がないと多くの人が考えているため決定打が打てない。公的医療支出を減らしても、医療費（公費+保険料+自己負担）は国全体で減らず、病気に罹患した人の保険料＋自己負担が増えるだけ。"