FOREIGN AFFAIRS JAPAN - ＩＭＦ、今やますます重要に

＜ロシアン・ルーレット＞ ロシアの債務不履行は、世界的な金融危機感染の第三段階に当たる。この感染は、九七年七月のタイバーツの切り下げにより始まった。第一段階では、タイの通貨切り下げが引き金となり、他のアジア諸国の為替レートが突然崩壊した。その崩壊は、九〇年代前半に米ドル建ての債務を積み上げた企業や金融機関の倒産ラッシュを招いた。次に、通貨の切り下げは世界の一次産品価格の低下を引き起こし、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、チリ、メキシコ等、他の一次産品産出国通貨の急落をもたらした。この二つの段階の間では、ロシアはルーブルの切り下げを回避することができた。これは、すでに合意されたＩＭＦによる支援と高利回りのロシア国債に対する投資家の需要のお陰であった。しかし、ロシアの多額の財政赤字と、共産主義から移行後初の貿易赤字による圧力を受けて、ＩＭＦが春と、夏の早い時期にルーブルの維持に失敗し