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作家 小田 実のホームページ > 毎日新聞連載「西雷東騒」
2002年12月24日号 ホメーロスとは何者か―ヨーロッパ、西洋文明の見直し― 私は、今、ホメーロスの「イー... 2002年12月24日号 ホメーロスとは何者か―ヨーロッパ、西洋文明の見直し― 私は、今、ホメーロスの「イーリアス」の翻訳にとりかかっている。訳していて、あらためて考えることがある。ホメーロスとは何者か。これは1960年にギリシャをはじめて訪れて以来ずっと考えて来た疑問だ。 ホメーロスはふつう「ヨーロッパ、西洋文学の父」だとされている。しかし、ヨーロッパも西洋もただの土地の名ではない。ヨーロッパ文明、西洋文明あってのヨーロッパ、西洋だ。ホメーロスの生きた紀元前8世紀の世界にその名の文明があったのか。当時のヨーロッパ、西洋はただの黒い樹林のひろがりだったのではないか。同じことは、「西洋哲学の始祖」ソクラテス、「西洋歴史の父」トゥキディデス、「西洋医学の開祖」ヒポクラテス諸氏にも言える。ホメーロスよりかなりあとだが、彼らが生きた時代、ヨーロッパ、西洋はこれまたただの黒い樹林のひろがりで、その名
2007/09/18 リンク