「文学全集」続々、世界広がる喜び : ニュース : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

深い内容を持つ文学作品を収録した「全集」の企画が今年は相次ぐ。電子書籍の普及が進む一方で、リアルな書籍で名作に触れる需要も、まだ根強いようだ。 「２４年ぶり、最後の限定復刊」。筑摩書房からかつて刊行された全９９巻の名企画「明治文学全集」が、１月２５日から、装丁を一新して発売される。１９６５年から同社の倒産を挟み２４年をかけ、全９９巻と別巻の総索引を完結させた。尾崎紅葉、泉鏡花ら著名な作家はもちろん、女流文学、少年文学、思想書まで幅広く網羅。収録作家は１０００人を超え、原稿総量は４００字詰め用紙で１６万枚に上る。 明治維新から１００年が近づく当時、総体として明治を考え直したいと編まれた。江戸から明治への移行を「輝かしい近代化」ととらえる作品のほか、不満や疑義を持つものも収める。「多様な明治の文学作品を復刊することで、今の時代を考え直したい」という。 新潮社では今年６月から、「山本周五郎長篇小