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(2)呼吸器 誰のため? : 延命 最期の選択 : 企画・連載 : 医療と介護 : YOMIURI ON-LINE (読売新聞)
サインペンを握る手が、小刻みに震えていた。 人工呼吸器を着け、集中治療室のベッドに、衰弱しきった姿... サインペンを握る手が、小刻みに震えていた。 人工呼吸器を着け、集中治療室のベッドに、衰弱しきった姿で横たわる60歳代の男性。治療室に運ばれて1週間。のど元から管が差し込まれ、声が出ない。全身の力を振り絞るように、看護師が差し出した紙に筆を走らせた。 「チューブ ぬいてほしい」 字は乱れたが、しっかり読みとれた。苦しさを目で訴えた患者に、医師は鎮静剤を与えた。男性はすぐ眠りについた。 名古屋市の基幹病院。救急医療の経験が豊富な副院長は、患者と交わした“筆談”の紙を見せてくれた。 「きかい(人工呼吸器)をはずして」「ヘヤ(一般病棟)へ モドリタイ」「イキ(息)クルシイ」……。生死をさまよった患者の切なる思いがあふれていた。だが、その願いはかなえられることなく、数週間後、呼吸器を着けたまま亡くなった。 心肺停止状態で病院に運ばれる患者には、蘇生(そせい)のため人工呼吸器が着けられる場合が多い。し
2006/08/02 リンク