人気作家たちは永遠の敵「〆切」にどう苦しみ、どう対応したのか? 逃亡、言い訳、謝罪、逆ギレ、開き直り… 「仕事」とは〆切や納期との戦いであり、それはどんな職種でも同じことなのだが、数ある仕事のなかでも特にその戦いが壮絶なもののひとつが作家である。そんな作家たち約90名が綴った〆切破りの言い訳を集めた『〆切本』(左右社)が最近出版され話題を呼んでいる。 作家という人種はとにかく「〆切」を恐れる。それはどんな大作家であろうと例外ではない。筒井康隆と吉行淳之介は本書におさめられた対談のなかで、〆切に対する恐怖のあまり、〆切に追いやられる夢を見ることがよくあると語り合っている。 まず、筒井の見る夢はこんな具合だ。夢のなかで彼は、作家であり大学生であるという設定になっている。そして、こんな悪夢を見るのだと言う。 「作家で原稿を書いていて、締切に追いまくられて、そのために大学に行けないわけです。出席日