EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。
新渡戸文化小中学校・高等学校 奥津憲人先生 オンラインの学びに対して、ネガティブな状態にしないこと ――奥津先生が新渡戸文化中学校・高等学校で取り組んでいることについて教えてください。 新渡戸文化小中学校・高等学校(以下、新渡戸)では「すべての教員がデザイナー」であり、私は「ラーニングテクノロジーデザイナー」と名乗っています。理科教員として生物を中高生に教えているほか、iPadの使い方などをメインに、先生方の支援を行うICT担当も務めています。 また、「SDGs」をキーワードに生徒とリアルをつなげる活動をしており、子どもたちが発信する場を作っています。これは前任校から行っている活動でもありますが、「子どもをベースに『やりたい』を実現させる」ことは新渡戸のマインドでもあるので、学校全体として取り組んでいることのひとつでもあります。 ――新渡戸では、休校中も4月上旬からオンライン授業をスタート
noteのオンラインイベント「多様性を後押しするN高×note共同イベント #これからの教育」では、角川ドワンゴ学園理事の川上氏、N高副校長の吉村総一郎氏、noteの加藤氏、そしてCXOの深津貴之氏が、N高の取り組みを通じ、将来の教育について語り合った。 左上から時計回りに、note株式会社 代表取締役CEO 加藤貞顕氏、同社 CXO 深津貴之氏、学校法人角川ドワンゴ学園理事 川上量生氏、N高等学校 副校長 吉村総一郎氏 学校は社会に適応するための場所 N高は広域の通信制課程を持つ私立高校で、授業は基本的にオンラインで行われる。コミュニケーションツールである「Slack」のチャンネル上で、全校のお知らせを通知したり、クラス内で連絡を取りあったりするなど、インターネットをインフラとしてフル活用している。なお、Slackのチャンネル数は6000以上存在し、興味関心のある生徒同士が集まってSla
「Surface Go 2」は文部科学省が「GIGAスクール構想」で示している「学習者用端末の標準仕様」をすべて満たしており、日本マイクロソフトが今年2月から提供開始している教育機関向けソリューション「GIGAスクールパッケージ」にも含まれている。 参考:日本マイクロソフト、教育機関向けに端末やソフトウェア、研修を一括で提供する「GIGAスクールパッケージ」を発表 「GIGAスクールパッケージ」には4万5000円の端末補助対象内で調達でき、必要最低限の機能を含むモデルが提供される「基本パッケージ」と、端末補助対象外だが、高スペックで先行導入地域において実績のあるモデルが提供される「応用パッケージ」が用意されている。今回発売された「Surface Go 2」は後者の「応用パッケージ」に含まれている。 1人1台時代に適した特徴を備えた「Surface Go 2」 説明会で日本マイクロソフトの小
Slackの導入で山積みだったコミュニケーションの課題を解決 急速に知名度を高め、6年連続で志願者数日本一となった近畿大学(2019年、教育情報会社大学通信調査)。「近大マグロ」や「ド派手入学式」などホットな話題にも事欠かない学校だ。日本初のインターネット出願やAmazonでの教科書販売、卒業証明書のコンビニ発行といった先駆的な取り組みでも知られ、近年では「学園祭の屋台へのLINE Pay、メルペイ導入」などでも注目を浴びている。これらテクノロジーの活用には、大学の差別化戦略として先進的なブランドを確立する意図があるという。 そうした校風も追い風となり、2018年4月、教育機関としてはいち早く職員同士のコミュニケーションツールとして「Slack」を導入。法人部門で部署の取りまとめを担い、情報システム部門とも連携してSlack導入を牽引した上原隆明氏は、「先進的なツールを導入する目的もさるこ
社会を変革する「チェンジメーカー」となりうる人材が求められる中、STEAM教育や自律的な個別学習など、新たな教育のあり方が模索されている。そのカギとなるICT教育を実施し、効果を高めていくためには、公教育はもとより、地域全体でどのように対応していくべきなのか。そうした課題と解決策の共有を目的として、11月21日、デジタルハリウッド株式会社が展開する教育活性化サービス「デジタルハリウッドアカデミー」にて私塾を対象としたセミナーが開催された。今回は、品川女子学院で情報科主任として多彩な特別講座を実施し、ICT教育推進委員長として学校のICT導入を牽引した経験を持つ竹内啓悟氏が、自身のベストプラクティスと失敗、そこから浮かび上がる課題などについて紹介した。 品川女子学院 情報科主任 竹内啓悟氏 企業との連携で特別講座を実施し、手応えを実感 東京都・品川区にある中高一貫の女子校「品川女子学院」は、
民間試験導入の見送り――英語教育をAIは支えることができるのか? パネルディスカッションのテーマは「AIは教育に何をもたらすのか?」。ちょうど英語の民間試験導入の見送りが発表されたタイミングでもあることから、パネリストを務めたアイード代表取締役CEOの宮澤瑞希氏は「教育現場の課題」に英語教育改革を取り上げた。 アイード株式会社 代表取締役CEO 宮澤瑞希氏 現場の声として紹介されたのは、小学校のある音楽専科の教員の「移行期間の現在は英語が得意な自分が対応しているが、来年から全担任が対応することになる。大学受験以降英語に触れていない教員がほとんどだが、本当に対応できるのか不安」という声。そしてある高校教員の「書く・話すの能力を学んで身に付けること自体は重要で、学びのきっかけになると思っていた。令和6年度の仕切り直しまでに地域・経済格差問題(受験料・内容・難易度など)、試験官の差異問題は解決さ
社会を変革する「チェンジメーカー」となりうる人材が求められる中、STEAM教育や自律的な個別学習など、新たな教育のあり方が模索されている。そのカギとなるICT教育を実施し、効果を高めていくためには、公教育はもとより、地域全体でどのように対応していくべきなのか。10月16日、デジタルハリウッド株式会社が展開する教育活性化サービス「デジタルハリウッドアカデミー」にて私塾を対象としたセミナーが開催され、小中高校におけるICT教育の現況を熟知する、フューチャーインスティテュート株式会社 代表取締役の為田裕行氏が現状や課題、対応策などについて語った。 フューチャーインスティテュート株式会社 代表取締役 為田裕行氏 小中高世代のICT教育の現況と、公教育の限界 現場への教育ICT導入の可能性を模索し、幼稚園から大学までの教壇に立つと共に、学校の先生向けの研修プログラム設計や授業計画コンサルテーションな
奥津先生は2020年4月に新渡戸文化小中学校・高等学校へ異動されています。記事中の所属は執筆当時のものです。(編集部) はじめに 文化学園大学杉並中学校・高等学校の教員である奥津憲人です。私は2011年に麻布大学を卒業後、現任校にて非常勤講師を経て専任教諭として勤務しています。2014年からは1人1台のタブレット導入に向けた、校内での研修や生徒端末の管理など、ICT関係の担当者をしています。 専門は理科・生物で、現在はSDGsをキーワードにした活動を、校内・校外限らず行っています。部活動では生物探究部を担当し、養蜂や野外調査、校内での農業など、生徒が「本物」と触れ合える環境をできるだけたくさん設けることを意識しています。 本校は全日制の私立学校で、進路や学習方法に応じて3つのコースに分かれており、基本的にはどのコースも大学入試を見据えています。特色があるのは高等学校の「ダブルディプロマコー
【小学校の事例紹介1】プログラミング教材で子どもたちの創造性を引き出す 次世代幼児教育研究プロジェクトは2017年に、NPO法人CANVASとプログラミングロボット「キュベット」の日本販売総代理店であるキャンドルウィックが設立した団体で、主に未就学児からの新しい学びを研究し、毎年シンポジウムを開催している。 3年目となる今年のシンポジウムでは、すでに実践的な取り組みを行っている公立小学校の先生から事例紹介が行われた。 最初に登壇したのは、東三鷹学園三鷹市立第一小学校の図工専科である﨑村紅葉教諭だ。﨑村教諭は、電子ブロックの「MESH」や「littleBits」といったデジタル教材を活用し、小学5年生と6年生の図画工作の時間に活用している。 東三鷹学園三鷹市立第一小学校図工専科の﨑村紅葉教諭 MESHを使った図工授業「ビー玉の冒険」 LEDや明るさセンサー、人感センサーなどを活用。タブレット
プログラミングは「将来の強み」になる 会場には、小学校の教員だけでなく、民間のプログラミング教室の先生など教育関係者30名ほどが参加し、ヤフーの現役のエンジニアやデザイナー数名がチューターとして参加者をサポートした。 最初に、ヤフーがCSR活動の一環として行っているプログラミング体験教室「Hack Kids」の紹介が行われた。「日本全国の子どもたちにプログラミングの楽しさを感じてもらい、将来の選択肢を広げるためのきっかけを提供する」ことを目的としており、2017年から日本各地で32回にわたって開催されている。「子どものうちからプログラミングに対しての抵抗感をなくしておくことは、将来に向けてひとつの強みになる。さらに、物事を順序立てて考えられるようになることは、日常生活や学習でも役立つ」と、プログラミング学習の意義を解説した。 なぜプログラミング学習が必要なのか 続いて「Hack Kids」
数学が分からなくても、AIの本質は体験できる 「未来の学びプログラミング教育推進月間」は、民間企業の協力のもと、文部科学省、総務省、経済産業省が実施する、プログラミング教育の準備推進のための取り組み。今回の町田第三小学校での実証授業も、その活動の1つとして行われた。 取材した町田市立町田第三小学校の5年生のクラス この授業の教材と、指導案の作成に協力したのはGoogle。具体的には、「AIとプログラミングで、身近な課題を解決しよう」というテーマで、プログラミングを体験し、社会でAIがどのように生かせるのか探究する授業カリキュラムを、協力して作成した。また、AIを組み込むプログラミングの教材には、ビジュアルプログラミングのScratch3.0を用い、その拡張機能でTensorFlow(Googleが開発した機械学習の仕組み)を動かせるようにした。 カリキュラムの開発に関わったGoogleのデ
世界規模で開催される「グローバルティーチャー賞」のトップ10ファイナリストに、今年、立命館小学校の正頭英和教諭が選ばれた。日本ではまだあまり広く知られていないが、毎年ドバイで華々しい受賞式が開かれ賞金はUS100万ドルという壮大な賞だ。正頭教諭の受賞はならなかったが、今回を含めこれまでに3名の日本の先生が上位ファイナリストに選出されている。6月2日に日本マイクロソフト品川オフィスで開催された報告会の様子は前回の記事で紹介したが、本稿では、先生方の発表に続いて行われたパネルディスカッションについてレポートする。 前回記事:教育界のノーベル賞「グローバルティーチャー賞」歴代日本人入賞者3人が語る学びの形とは? これからの時代を生き抜く人材の育成に必要な、教育の場とは パネルディスカッションは政治、教育、企業それぞれの立場で教育の課題に取り組むリーダーが顔をそろえ、元日本マイクロソフトで現在はN
2018年1月に始動した「『未来の教室』とEdTech研究会(以下、本研究会)」。AIや動画、オンライン通話などのデジタル技術によって、いかに人間の創造性や課題解決力を育み、個別最適化された新しい教育を構築すべきか議論が重ねられてきた。 今回発表された第2次提言は「『未来の教室』ビジョン」としてまとめられた。内容としては、2018年6月の第1次提言をもとに、その後全国各地の教育現場で実施した23の実証事業の成果を踏まえ、初等中等教育分野に焦点を絞って今後の政策課題を整理したものとなる。 具体的には、「未来の教室」に向けた改革の柱を「学びのSTEAM化」「学びの自律化、個別最適化」「新しい環境づくり」の3つに整理し、その実現に向けて乗り越えるべき9つの課題とそれに対応するアクションについて提言された。 冒頭、本研究会の事務局である経済産業省 教育産業室 室長の浅野大介氏が「世界の潮流や現在の
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