世界的なデジタル出版業界を見ていると、ある「未来のビジョン」が浮かび上がってくる。 このビジョンを説明するのは難しい。1月19日(米国時間)に米Apple社が行った教育関連の発表(日本語版記事)のような、マルチメディアを駆使して演出された自信たっぷりのプレゼンテーションが伴うわけではないからだ。そのかわりに、例えば「国際展開を続けるKobo、蘭Libris Blz社とも提携」といったニュースによって、パズルのピースが次第に集まるようにして見えてくるビジョンなのだ。 加Kobo社は、最初から国際展開していたという意味で、電子書籍業界では珍しい企業だ。同社は加Indigo Books社の電子書籍部門Shortcovers社としてスタートした後、2009年にスピンオフして、Indigo社、米Borders Group社、豪REDgroup社、そして中国の長江実業による共同出資会社になった。現在K