著名人がどんな子ども時代を過ごしていたかは、メディアでも定番の企画だ。このたび、作家の村上春樹さんが、兵庫県立神戸高校に在学中に図書室で借りた本の「貸し出し記録」が発見され、注目を集めた。 「村上春樹さん 高1でケッセル愛読 神戸の母校に貸し出し記録」と報じた神戸新聞(10月5日)の記事によれば、廃棄寸前の図書室の蔵書を元教員が整理していたところ、高校1年だった村上さんが、フランスの作家ジョゼフ・ケッセルの著作を借りていたことを示す「帯出者カード」を発見したという。 しかし、どんな本を読むのかは、その人の思想にもかかわる重要なプライバシーのはずだ。今回、記録の公開をめぐって村上さんの同意があったか否かは不明だが、図書の貸し出し記録のような個人情報が報じられることは、著名人にとって、やむを得ないことなのだろうか。佃克彦弁護士に聞いた。 ●「公表する理由」に正当性はあるか? 「人の読書歴がプラ