千葉県にこだわった書籍を、半世紀にわたり出版してきた流山市流山の「崙書房(ろんしょぼう)出版」が7月末で解散する。これまでに出版した書籍は約1千点。中でも歴史や風土、人物など幅広いジャンルを取り上げた同社の代名詞ともいえる「ふるさと文庫」シリーズは217册にも及ぶ。解散を惜しむ声は大きく、流山市立図書館で「ありがとう崙書房出版展」が開催されているほか、丸善ジュンク堂書店の県内3店では「さようなら崙書房フェア」が開かれている。(江田隆一) ◆文献の復刻で注目 流鉄の終点、流山駅。駅近くにあり、看板を見落とせば民家と間違えてしまう木造2階建てが崙書房の社屋だ。1階は書庫で2階が事務室。小林規一社長(72)と小林さんを支える金子敏さん(71)、吉田次雄さん(68)、大竹トモ子さん(71)のスタッフ4人が最後まで忙しく仕事を続ける。 崙書房は昭和45年にスタートした。設立当初は古い名著や文献の復刻