「女性リード型の描写が進むとホモセクシュアル的な傾向が出てきて、心理的にノーマルな性交渉が難しくなる」 委員のこの発言が取り消された。出席した委員の氏名は公開されているが,当該の発言を誰がしたかはわからない。公的な委員会なのに「匿名」が許されているのが問題の第一。多くの人から質問や批判が寄せれているにもかかわらず,何の説明責任も果たさずに,発言そのものをなかったことにしてしまう官僚主義的無責任が問題の第二。こういう委員はたいてい「ネットでは匿名をいいことに無責任な発言が横行する」などとステレオタイプな“見解”とやらをもっているものだが,公的委員会に許された「匿名性」の社会的害悪のほうが悪質だ。一度記録されてしまった発言が取り消せること自体が無責任の温床だ。こんな意識で表現規制が実施されていること自体がうすら寒い。