マレー半島における日本軍慰安所について 関東学院大学経済学部一般教育論集『自然・人間・社会』第15号、1993年7月 林 博史 雑誌『世界』に書いたものはコンパクト版ですが、その後、わかっている限り詳細に資料を紹介しながら書いたものがこれです。なおクアラピラの慰安所については『世界』をご参照ください。 1999.4.1 はじめに T 慰安所に関する日本軍史料 U 元日本兵の証言にみる慰安所 V ネグリセンビラン州の慰安所 W マレー半島各地の慰安所 X シンガポールの慰安所と料亭 おわりに はじめに 1992年1月防衛庁防衛研究所図書館が所蔵する旧日本軍の史料の中に慰安所関係の史料があることが吉見義明氏によって確認され、その内容が『朝日新聞』で報道された。その結果、日本政府は戦後47年にしてようやく国が慰安所に「関与」していたことを認めた。そして政府は防衛庁・外務省など関連
おもしろい突然変異 頭の悪いショウジョウバエ: ショウジョウバエもちゃんと学習の能力をもっています。例えば、あるにおいに集ってくると電気ショックを受けるという訓練を繰り返すと、そのにおいを避けるようになり、逆に、砂糖水のようなごほうびをあげると、それに集るようになります。シ ョウジョウバエの突然変異の中には、このような学習ができないものが何種類も知られています。いわば、頭の悪いショウジョウバエです。このような突然変異が、なぜ、学習ができなくなってしまったかを調べることによって、学習や記憶のメカニズムがつぎつぎに解き明かされつつあります。頭が悪くても、立派に役に立っているのです。 からだ中目だらけのショウジョウバエ: ショウジョウバエの eyeless(無眼)という遺伝子は、体のどこに目を作るかを決 めるという重要な働きをしている遺伝子と考えられています。
1950年代のヨーロッパでは糖尿病が猛威を振るっていた.当時,糖尿病患者の多くが肝機能障害を併発していたが,アルコール性肝炎に類似した糖尿病の合併症の一つとして片付けられ特に名称が付けられることもなかった.しかし糖尿病から肝硬変に至ることは認識されており,糖尿病の約1割は肝硬変で死亡するというのが当時の常識であった. 1980年,米国の病理学者であるLudwigは,この病態を糖尿病の合併症とは異なる独立した一疾患として位置づけ,non-alcoholic steatohepatitis(以下NASHと略す)と言う病理学的名称を与えた.組織像では(図1),肝細胞の膨化と脂肪滴を認め,しばしばマロリー体を伴っていた.マロリー体はアルコール性肝炎に特徴的な所見であるため,NASHの原因はアルコールに決まっていると考える臨床家達は,NASHと言う独立した疾患の存在を認めず一蹴した. 1998年にな
フェミニズムにおける激しい論争のひとつに、売買春に代表される性労働/性産業をどう評価するかというものがある。その大まかな分類は以前「売買春とフェミニズム理論4分類」で紹介したし、わたし個人の立ち位置は過去エントリ「『性労働者のためのクリニック』をめぐる論争」や『バックラッシュ!』キャンペーンブログ内エントリ「性労働者コンファレンス@ラスヴェガス報告」に詳しい。 反売買春をかかげる女性団体やフェミニスト団体ーー必ずしもすべての女性団体がフェミニスト団体ではないーーは昔からあったけれども、1980年代には法学者キャサリン・マッキノンらが中心となってポルノグラフィや性産業を厳しく規制する条例を作るなど法律を使った活動が活発になった。わたしの住むポートランドでも、性産業の撲滅を掲げるフェミニスト団体がいくつか設置された。そのうちの一つの活動を見に行く機会が最近あり、とても驚かされたので、紹介したい
1998年、『心と社会』 (日本精神衛生会)に掲載された内藤朝雄さんの文章です。「全能感筋書モデル」や「生態学的設計主義」などについて解説されています。(※ネット上では図は入れていません) ******************* 「いじめ」のミクロ・メゾ・マクロ統合理論 0・【はじめに】 「いじめ」は、(1)内的過程深部の奇妙な体験構造が露出する側面と、(2)権力・利害・倫理・祝祭の集団構造が露出する側面とが、わかちがたく象られて現れる現象である。ビヤホール談義の水準を超えて「いじめ」を理解し説明するためには、Intrapsychicなミクロ過程とInterpersonalなメゾ過程とがリンクする形式を明らかにする必要がある。これによって、制度的なマクロ制御を有効な仕方で要所要所に敷くことが可能になる。全体の構図については全体図を参照。当論考前半の詳細については[内藤,1996]を参照。
No. 6 No. 5への長い註釈 2007年12月12日 IT社会 コメント: トラックバック (0) (これまでの 白田秀彰の「現実デバッグ」はこちら。) 私は『インターネットの法と慣習』の中で、ネットワークにおいて責任ある公論を生み出すために、固定ハンドル(コテハン=一貫した筆名)あるいは顕名での発言を必須条件として主張した。ところがここでは、国政に関する議論の場において、匿名発言を私が推奨する理由について説明しておく。 私が一般のオンライン言論について、コテハンあるいは顕名を推奨した理由は、無責任な発言、虚偽や誤謬、誹謗や中傷を抑制するためだった。誰が発言したのかが明らかであれば、その発言がなんらかの根拠を持つ発言であるのか、それとも単なるタワゴトなのかを、受け手は発言者に問い合わせたり判断したりしうる。また、ある人物の過去の発言記録は、現在の彼の発言の信憑性を測る手掛かりになる。
1995年、 『季刊 人間と教育』(第7号、労働旬報社)に掲載された内藤朝雄さんの文章です。「山形マット死事件」について触れつつ、「いじめ」中学生たちの「世間」を理論的に分析しています。入手しやすいものとしては、『〈いじめ学〉の時代』(柏書房)に、その一部が収録されています。 ******************* 「いじめ・全能感・世間」 (リーダー) いじめは、さまざまな秩序がせめぎあうなかで、いじめタイプの秩序が他を潜在化させつつ独自の位置を占めているのだから、いじめの秩序を徹底的に破壊し他の秩序が繁茂する条件をつくりださなければならない。その破壊すべきいじめの秩序とはどんなものか。 0・はじめに 「いじめ」を手がかりにして、人々がリアルな体験を生きる場としての「世間」を見ていく。すると子どもの「世間」であれ、大人の「世間」であれ、群であることの特徴的で構造的な「いきがたさ」「いきぐ
No. 5 プロジェクト主導者 2007年12月 5日 社会ハッキング コメント: トラックバック (0) (これまでの 白田秀彰の「現実デバッグ」はこちら。) プロジェクトで主導権を握る人物(以下、「主導者」)は、プロジェクトの進行に対する「貢献の量」をもって評判を獲得し、コミュニティの中での漠然とした地位を獲得していく。もちろん、この貢献には金銭的対価は存在しない。経済的インセンティヴが無いのにも関わらず、なぜボランティアは貢献するのか? マズローの欲求段階説でいう、「集団帰属欲求」「認知欲求」「自己実現欲求」などの高度な欲求に基づいて行われている面もあるだろう。しかし、私自身が かつての Nifty Serve において、複数のオンライン・ソフトウェアの開発者利用者コミュニティに属していた経験から言えば、第一の動機は、「このバグを潰してほしい」「この機能を追加してほしい」「このように
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