日韓慰安婦問題の解決や、潜水艦技術をめぐる豪州との急速な接近など、めまぐるしい動きを見せる昨今の安倍外交。メルマガ『 田中宇の国際ニュース解説 』では、その全てが従来の日本の「対米従属の戦略」から脱却する過程の一環であり、しかもそれはアメリカ主導によるものではと推測しています。 見えてきた日本の新たな姿 日本はこれまで、 対米従属以外の戦略を全く持たない国 だった。私が知る限り、日本政府が対米従属以外(対米自立)の戦略をわずかでも持った(検討した)のは、1970年代に米国が覇権構造の多極化をめざした時に米国の勧めで日本政府が作った防衛の対米自立策「 中曽根ドクトリン 」と、2009~10年の 鳩山政権が米中と等距離外交 をめざし、結局は官僚機構につぶされた時の2つだけだ。その後、現在の安倍政権にいたる自民党政権は、官僚機構(外務省と財務省)の傀儡で、対米従属一本槍に戻った。 だが昨年の後半