くるりが新しいシングル「その線は水平線」を2月21日にリリースした。「その線は水平線」という謎かけのようなリリックが、濃密なバンドサウンドの中で魔法のように響く。結成“20回転”のその先である“22回転”目の新作で、くるりは剛直な真っ向勝負をかけている。 思い返せば、くるりにとって2016年は特別な年だった。結成20周年を迎え、岸田繁(Vo, G)は作曲家として「交響曲第一番」を発表し、オーケストラを用いての音楽創作に新境地を開いてみせた。17年にリリースした通算30枚目のシングル「How Can I Do?」では、管弦楽書法での冒険を生かしたアレンジで軽妙な魅力を放った。 しかし、「その線は水平線」では一転して、ロックバンドとしての真骨頂を高らかに鳴らしている。新たな始まりを告げる作品にふさわしく、ずっしりとした手応えがある。春を待つ今、この曲について、岸田に聞いた。 取材・文 / 青澤