アメリカに、2010年のIPO(新規株式公開)が噂されている急成長中のベンチャーがある。ジンガ(Zynga)というゲーム開発会社だ。 ゲームといっても、ジンガのゲームは、従来の常識にとらわれない。ソーシャル・ゲーム、つまりSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の仲間を呼び込んで一緒にプレイする、まったく新しいタイプのゲームである。 ジンガの代表的なゲーム、「ファーム・ヴィル」をのぞいてみよう。直訳すると「農村」という名のこのゲームは、実に単純にスタートする。加入すると、与えられた農地にはすでにトマトやナスがたわわに実っていて、それをまず収穫するのだ。 収穫すると資産が増えて、まずは喜ばせてくれる。だが、その後の畑にはまた新たに何か植えなければならない。他にも空地があって、そこを耕して畑にしなければ収益が見込めない。そこで大豆の種を蒔いたりする。種代がかかり資産が減るが、それがまた収穫
